シチリア最大規模にして品質高し！

群雄割拠のシチリア島のワインシーン。もともと生産量が高いうえに年々その品質の向上に目を見張るものがあります。

そんな中で最大規模の生産者協同組合がカンティーナ　エウロパです。中でも特に高品質なラインナップのワインは「シビリアーナ」のマークがワインに付与されます。このマークを付与されるワインには条件があり、ワインの原料となるブドウは栽培農家の徹底した畑の管理によって育てられていることが義務付けられています。このマークが付与されているロチェーノシリーズのワインにはシチーリアの豊かな自然やブドウのキャラクターが映し出されており、最高品質の証となっています。

アパッシメンテとは陰干しの意味

このワインの最大の特徴はアパッシメンテといって、ブドウを収穫後陰干しすることで水分を飛ばし凝縮度を高める手法でヴェネト州のアマローネ　ディ　ヴァルポリチェッラ　クラッシコやパッシートと呼ばれるデザートワインに使われる手法です。
通常は凝縮感が高いため飲みごたえのあるワインができるのですが、このレッジェルメンテはなめらかで心地よい口当たりと果実のきめ細やかな風味が楽しめる繊細な仕上がりとなっています。

「神の雫」という漫画があって最近リメイクでドラマ化されているのを見られた方も多いかなと思います。主人公たちがワインを味わうごとに芸術であったり、想い出であったり、音楽であったりと味覚以外の表現をするのがひじょうに印象的ですね。
臭覚というのはすごく原始的で直接的な感覚と言われています。桃の香りは当然　桃を連想します。ところがある印象的な場面に桃の香りがあれば桃の香りを通してその場面を思い出したりするのです。それが臭覚の力ですね。
ワインにはブドウに香りというよりはいろんな要素の香りが複雑に絡まってグラスの中に存在します。その香りの断片を通して、いろんな食べ物や花を思い浮かべるのです。
今回このレッジェルメンテ　アパッシート　ネロ　ダーヴォラを最初に飲んだ時、情景というよりは私的ノスタルジックな感覚に覆われてジーンときました。
余談でした（笑）